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創業支援を受ける



投稿日:2022年3月29日 | 最終更新日:2022年4月29日

起業(開業)予定地域を決める

場所を決める

起業(開業)予定地域は早めに決めましょう。

店舗が必要な事業以外はどこで開業してもあまり関係はないのではないか?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、意外に重要です。

「インターネットで日本中どころか世界中を相手に商売をするのだからどこでも同じ」という方も、考えてみてください。

集客が地域に依存しなくても、従業員採用はそうとも言い切れません。フルリモートでといっても、勤務先の所在地を重視されることもあります。細かいことを言えば、協会けんぽの保険料率も会社所在地の都道府県によって異なります

また、都道府県・市区町村によって、起業支援や小規模企業支援の手厚さにはかなりの差があります。受けられる補助金・助成金や融資の優遇利率、利子補給などの差は、創業初期の資金繰りに影響します。 少なくとも、自分が起業(開業)する(できる)可能性のある場所については、あらかじめ人口動態、給与などの状況も含む地域の特性とあわせて、創業支援、中小企業支援、雇用・労働関係支援の状況を調べてから決めることをお勧めします。バーチャルオフィスで開業という方法も今は珍しくありませんし、銀行口座が作れないことも少なくなってきています。

法人登記ができるバーチャルオフィスの失敗しない選び方 | 地域と条件でバーチャルオフィスを一度に比較・検索


起業予定の市区町村の特定創業支援等事業を調べる

補助金・助成金などのほか、特定創業支援等事業の実施状況についても市区町村でかなり異なります。

「特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明」を取得しておくと、法人設立の際の登録免許税が半額になる、創業融資で利率が下がる、補助金によっては補助上限額が増額される(「小規模事業者持続化補助金」では上限額が50万円から100万円へ倍増します)など、多くの優遇措置が受けられます。

法人を設立して起業するなら取得必須と言えますが、すべての市区町村で取得できるわけではありません。ほとんどの市区町村で可能ではありますが、下記の中小企業庁のページで開業予定地の市区町村で取得できるかどうか確認しておくことをお勧めします。

中小企業庁:産業競争力強化法に基づく認定を受けた市区町村別の創業支援等事業計画の概要 (meti.go.jp)

また、市区町村によって取得の難易度が違いますので、ここも注意が必要です。

市区町村によっては、年に1回しか取得チャンスがないこともありますし、取得に係る日数や労力もかなり異なります(都市部ほど対象者が多いためか取得方法が多様で機会も多く、結果として取得が容易な傾向があります)。
起業(開業)日が決まっている場合は、それまでに取得できるかどうか、まず予定地の地区町村に確認してみましょう。これがあるだけで、株式会社の設立だと少なくとも7万5千円お得になります。


都道府県・市町村の創業助成金を調べる

特定創業支援等事業とあわせて、起業(開業)に関する補助金・助成金がないかも確認しておきましょう。

創業者向け補助金・給付金(都道府県別) | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト] (smrj.go.jp)

上のページに掲載されていますが、補助金・助成金は、災害などによって新しいものができたり、既存のものがなくなったりすることも多いので、起業予定の市区町村や商工会・商工会議所に問い合わせをしてみることをおすすめします。

また、起業、創業に関するものだけでなく、起業後に利用できるものもできるだけ調べておくことも大事です。市区町村では、金額は小さくても申請すればもらえるものもあったりしますので、先に調べておくべきです。
例えば、ホームページを作る助成金や研修費用、IT機器に使える補助金などがあっても、法人設立前に購入していたり、対象期間や要件に合わない発注をしていて申請できないということもあります。創業期の数万円は大きいですので、聞くだけ聞いておきましょう。わずかな時間と手間で数万円から数十万円が受け取れるかもしれません。


創業計画書のブラッシュアップを相談する

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市区町村などの行政機関や商工会議所・商工会などでは、融資や補助金・助成金の申請のための創業計画書の作成を支援する無料の制度があることがあります。分からないことや自分だけの視点では気付かなかったことを教えてもらえたりしますので、制度があったらぜひ利用しましょう。

「士業やコンサルタントなどは、頭がいい勉強ができたと言っても、実際に経営してきた経営者の方がずっと良くわかっている」ということもいわれます。確かに一理あります。ですが、士業やコンサルタントなどの専門家の力を借りることで、大げさにいえば一人の経営者では経験しえないことを知ることができるのです。

専門家の強みは、その専門知識は当然として、一人の経営者が直接経験することはできない経験値を持つことができることです。専門家が頼られるのは主に「問題が起きたとき」ですので、経験する問題の数と種類がどんどん多くなっていきます。人を支援することで、その人の課題と解決策を間接的にでも経験することができるので、問題に接する回数が桁違いです。そして、専門家に依頼する側は、その問題にあたるのは多くの場合、人生で一度か二度なので、その問題の本質(普遍的なものなのか、解決策はあるのか等)を理解するためには時間がかかります。さらに、問題を理解した後で、その解決策を探すのにも時間がかかります。そこを、専門家の力を借りてショートカットするのです。

ただ、人には相性もありますので、できれば複数の人に見てもらうことをおすすめします。人によって真逆のことを言われたりすると、専門家に対する信頼や相談の有効性を信じられなくなったりするかもしれませんが、それも重要な経験です。

専門家も人間ですので、全てのことを知っているわけでも、全ての判断が正しいわけでもありません。得意な領域とそうでないこともあります。ですので、「人の意見を踏まえつつ、自分が最終的な判断をする」という経験をどんどん積んでいってください。人に相談をして、その意見について判断するのも訓練になります。

人に相談するためには資料を用意し、説明をしなければなりませんので、その練習にもなります。相談した人によって意見が違う理由の一つとして、自分の説明や資料の作り方が上達して、前に相談した人と次の人の受け止った情報が違うということもありえます。 使える制度はどんどん使う気持ちで、壁打ちだと思って、相談を重ねることをおすすめします。


無料のセミナー等を活用する

セミナー

「使える制度はどんどん使う」に関連して、行政機関や商工会・商工会議所などが実施しているセミナーなども、興味のあるもの、自分の苦手分野のことについては参加することをおすすめします。特に苦手分野のことについては、聞いてみることで苦手意識が消えることもありますし、人に任せて自分はキモの部分だけ押さえればいいなどの判断をつけられることもあります。

自分の住んでいる地域、起業(開業)予定地域ではあまり開催されていない…という方も、「TOKYO創業ステーション」に登録するという方法があります。

東京に住んでいなくても「東京都内で創業予定の方であれば、都外に在住されている方でもご利用いただけます。」とありますので、予定していれば大丈夫です。予定です。

ほぼ毎日、何らかのオンラインセミナーが開催されていますので、興味のあるもの、苦手な分野のものが見つかると思います。

気をつけることとしては、

  • セミナーを受講することが目的化してしまうこと
  • やっている感を手軽に得られるので、それで満足して起業が遅くなったりできなくなったりすること
  • セミナー内容は玉石混交なので最初に石に当たってしまい、玉にあたる前に参加しなくなってしまうこと

などがありますが、目的意識をしっかり持っていれば大丈夫です。これは相談を受けるときにも共通する注意点です。

講師やコーチ、コンサルタントなどの先生業で開業しようとしている方は、たくさん参加することで勉強にもなりますし、自信もつきます(「え?これでいいの?」と思うときもありますが、自分の専門分野のことは当たり前になりすぎて、専門外の人には当たり前じゃないんだということを思い出せたりもします)。
基本的に無料ですので、利用して損はありません。

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