路面店

店舗・事務所を決める



投稿日:2022年4月11日 | 最終更新日:2022年4月29日

店舗・事務所が必要かどうか考える

店舗かECか

店舗や事務所、本当にどうしても必要ですか?

まずはそこから考えてください。

といいますのも、事業用物件の賃貸借に関する費用が、一番のリスクになるからです。店舗は住宅用の物件と異なり、「敷金・礼金なし!2年契約自動更新」などということは基本ありません。礼金がない場合はあるでしょうが、敷金(保証金)は15ヶ月分などのところすらあります。更新時の費用が高額の場合もありますし、そもそも確実に更新できないこともあります。

内装も何もない状態で借りる場合は、当然、内外装工事費や設備費用、什器などの費用がそっくりかかりますし、居抜きで借りる場合は造作譲渡料がかかります。また、居抜きの物件ではリース費用が別にかかることもあります。火災保険などの保険料や仲介手数料、契約書の作成料なども積み重なると数十万円は軽く飛んでいきます。

店舗を借りる場合は、毎月の賃料の他に、初期費用として少なくとも賃料の12ヶ月分くらいを見込んでおく必要があります。

さらに、もしも上手くいかなくて店舗を閉める場合にも、閉店までの賃料を払っておしまい、というわけにはいきません。解約通知時期や違約金の規程を契約時によく確認しておかないと、さらに数ヶ月分の賃料が必要になることもありますし、原状回復費用もバカになりません。

事業用不動産を借りるのは、本当に覚悟のいることなのです。 借りることを決めたら、できることなら経験者や専門家の意見を聞いてください。家を建てるときに設計者と請負会社を分けて手抜き工事のリスクを下げたりしますが、借りるときにも同じくらい慎重になるべきです。借り手ではなくあなたの視点に立ってくれる専門家や経験者の意見が必要です。物件や設備についても、契約内容についてもです。


必要な時期を考える

飲食店や対人サービス業でも、最初は期間限定ショップや通販からはじめて、リスクを下げる方法も考えられます。どんなに緻密な計画を立てても、どんなに商品やサービスが良くても、必ず成功するとは限らないので、下げられるリスクは下げることを考えましょう。

事務所についても同じです。最初はシェアオフィスからでできないか、バーチャルオフィスを利用して来客時だけ会議室を借りることで普段の仕事は自宅でできないかなど、初期投資を下げる方法を考えるべきです。

バーチャルオフィス選びのポイント | 法人登記ができるバーチャルオフィスの失敗しない選び方 (theflow.co.jp)

固定費が高くなればなるほど、廃業のリスクは高くなります。不動産の賃借料は人件費に次ぐ大きな固定費です。


候補地を決める

地図にピン

どうしても店舗・事務所が必要だとなったら、腹をくくって楽しく探しましょう。

どのような場所があなたの事業を行うのに最適でしょうか?

候補地の決め方は、「親の店をだまし取られた。絶対に取り返して自分の店を作る!」などのドラマチックな場合以外は、場所指定ではなく条件指定だと思います。その事業によって最適な条件というものがあるはずです。

洋菓子店だったら帰りがけにお土産に買って行かれるところとか、塾だったら子供が安全に一人で通えるところ(親御さんの送り迎えが必須な時間なら、送り迎えの車が出入りしやすいところ)など、いろいろな条件が考えられるはずです。別記事の「事業計画を作る」でも何度も書きましたが、成功している店・事務所の立地を研究しましょう。とりあえず真似る。成功者を真似ることが成功への近道です。
成功するための条件そのものズバリを教えてくれる人や書籍、ウェブサイトなどがあったら参考にして、実際に見本の店舗・事務所に当てはめてみてください。あたっていたら、その条件は採用です。

研究し尽くして条件が決まったら、その条件に合う場所を探しましょう。


候補地に適切な物件があるか調べる

条件に完全に合致する場所があっても、そこに借りられる物件がなければどうにもなりません。できるだけ条件を満たし、かつ、借りられる物件を探しましょう。場所だけでなく物件にも様々な条件があるはずです。そこも調べて決めておきましょう。

物件の大きさや外観、間口、回りの環境なども、何でも良いわけではないはずです。もしかしたら、そこに集客に重要な要素があるかもしれませんので、知っている人に教えてもらうか自分で調べ尽くすかして(教えてもらった場合も自分で確認しましょう)、フィーリングで決めずに過去のデータの蓄積から科学的に決めた方が安全です。自分のカンには自信があるという方は止めませんが、不動産の契約は正社員を雇うことに次いでリスキーなので、慎重になって損はありません。


候補地の家賃相場を調べる

さて、良さそうな物件が見つかったら、周辺の家賃相場を確認して、候補物件の家賃を比較しておきましょう。念のためです。他と比べて明らかに高い、安い場合は、理由を確認しておくべきです。


物件を決める

契約

いよいよ契約です。

何も見落としはありませんか?

資金は用意できましたか?

融資が決まらなくて契約ができなくなってしまうことがないように、融資の申込みにも手を抜かないでください。

「今決めないともうこの物件は借りられませんよ」といわれても、契約書はしっかり確認してください。意味の分からない条項は必ず「どういう意味なのか」確認してください。自分だけで分からなければ、弁護士などに相談しましょう。焦って落とし穴を見落とさないよう、十分に慎重になってください。

物件を決めたときは心が高揚していて勢いに任せてしまいがちですので、そんな時こそ、一度頭を冷やして契約書をしっかり読んでください。

良い物件を良い条件で借りられるようにがんばりましょう。

⇒ 法人を設立するか個人事業主にするか