投稿日:2022年4月11日 | 最終更新日:2022年4月29日
年商が○○○万円を超えたら法人化は間違い
起業の際に法人を設立するか個人事業主にするかを決めるポイントはなんでしょうか?
よくいわれるのが、「年商○○○万円を超えたら法人化」というものですが、そこは「起業の際の」ポイントではありません。
「起業する時にどちらを選ぶか」について、「起業して年商が○○○万円を超えたら~」というのは答えがずれているからです。よく考えたら当たり前ですね。
法人を設立するか個人事業主かを選ぶ基準

では、起業の時にどちらを選ぶかは、どういう基準で決めれば良いのでしょうか?
それは、「法人である必要があるかどうか」です。
一般的に、法人相手の場合は法人化しておいた方が無難です。特に行政相手に仕事をする場合は、法人でないと入り口に立てない場合が多いです。苦労して入札参加資格を得ても、行政の入札候補者を選ぶ段階で個人事業主は対象外になることが多いのです。研修講師などでも、一見関係なさそうに見えて、発注する側としては事務処理の関係で法人相手の方が楽ですので、個人事業主は不利になります。
あとは本質ではありませんが、社会保険に加入した方が得な場合というのもあります。社会保険というと加入しないで済む方法の需要ばかりが目立ちますが、必ずしも損ばかりではありません。
例えば前年の報酬が高額だった場合、前年の報酬を基準に国民健康保険、国民年金の保険料を払うよりも、新しく法人を設立して役員報酬を低額にし、その報酬に基づいて社会保険料を支払う方が安くなります。
国民健康保険では家族を扶養に入れることはできませんが、社保ならできます。
また、社会保険料を支払っていれば、病気や怪我で働けなくなったときは、経営者でも報酬相当額の2/3が最大1年6ヶ月まで支給されます。ただし、役員報酬が支払われていないことが前提です。
これらの事を勘案して、法人化する場合もあり得ます。
法人でなくても問題ない業種の場合は、個人事業主を選ぶ
ですので、法人で起業するか個人で起業するかのポイントは、「法人でなければできない・上手くいかない」又は「法人の方がうまくいく」業種かどうかです。
どの業種がこれにあたるかは、全ての業種を網羅することはできないので難しいですが、概ね次のことに当てはまるなら法人である必要性はあまりありません。
個人相手の商売で(toC)実店舗がある
例えば、飲食店や店舗販売が主の小売店、理美容業などです。
個人のスキルを提供する資格職
例えば、弁護士、税理士などの士業や専門職です。
芸術家(作家、音楽家、画家など)
特殊ですが、個人の才能が信用になる仕事ですので、
法人としての信用は無用といえます。
