書類作成

定款と、その他設立登記に必要な書類を作成する



投稿日:2022年4月15日 | 最終更新日:2022年7月8日

今は法人設立登記に必要な書類を簡単にウェブ上で作れる低額のサービスがたくさんありますので、5千円程度は出してもいいという方は、それらをご利用されるのも良い方法です。

ただし、その5千円を浮かすためにクラウド会計などのサービスに申し込むのは、おすすめできません。海老で鯛を釣られてしまいます。小銭を惜しんで大金を失う典型です(すぐに会計ソフトが必要な程、事業が順調な場合は別です)。会計ソフトの選び方と導入時期については、別記事でご案内いたします。

当サイトでは、「無料」で法人設立に必要な「定款」とその他必要書類を用意する方法をご案内します。


無料で定款と必要書類を作成する方法

実は、国(法務省)も一人会社(マイクロ法人)の設立には、自分でオンライン申請をする方法を勧めています。

法務省:一人会社の設立登記申請は完全オンライン申請がおすすめです! (moj.go.jp)

上記のページに手順の説明と必要書類のひな形が用意されてはいるのですが、行政の常としてとても分かりづらく、使いづらいので、当サイトでは簡単にできるやり方とひな形を別にご紹介しています。


ひな形の使い方

上記のページからZipファイルをダウンロードし、解凍してご利用ください。

ファイルの中身は、法人設立に必要な情報を記入するExcelファイルと、Excelから差し込み印刷をする定款とその他必要書類のWordファイルです。

ダウンロードページの解説に沿ってExcelファイルに入力していただければ、必要な書類ができあがります。

使い方を順を追ってご説明していきます。ここでは株式会社用を使ってご説明していきますが、合同会社用も使い方は同じです。


Zipファイルを解凍すると、次のファイルが入っています。

Zipファイルの中身
Zipファイルの中身

「00法人基本情報」のExcelファイルを開いてください。

Excelシート
Excelシート

記入欄に入力してください。変更が必須なのは、黄色いセルだけです。右の「注意」欄を読んでいただければ入力できますが、できれば

法人設立に必要な事項を決める(株式会社編)

または

法人設立に必要な事項を決める(合同会社編)

をお読みいただき、内容についてじっくり考えながら埋めることをおすすめします。

「定款作成日」、「資本金振込日」、「登記申請日」はそれぞれ実行した日を入れてください。ですので、この三つの日付は、最初は予定を入れておけば大丈夫です。

入力が終わったらExcelファイルを閉じて、「01定款_株式会社(発起人1人)」のファイルを開いてください。 開いたら、「差し込み文書」を開いて、「宛先の選択」⇒「既存のリストを使用」を選択してください。

差し込み印刷手順1

「00法人基本情報」のExcelファイルを選択して、「開く」をクリックします。

差し込み印刷手順2

「差込用$」が選択されている状態で「OK」をクリックしてください。

差し込み印刷手順3

下のようになっていますので、「結果のプレビュー」をクリックすると

差し込み印刷手順4

こうなります。

差し込み印刷手順5

あとはPDF形式で保存すれば完了です。
他のWordファイルも同様に差し込み印刷をすればできあがります。

紙の書類で申請する場合は印刷すれば大丈夫ですが、印紙税4万円がかかるので、おすすめしません。(無料で定款等を作成する方法をお読みいただいている方は、4万円の印紙税を支払いたくはないでしょうから、紙の書類での申請については当サイトではご説明しません。)

Zipファイルを解凍したフォルダにあるもののうち、「06実質的支配者となるべき者の申告書」は、定款の認証時に使います。
実質的支配者となるべき者の申告書は日本公証人連合会のウェブサイトからダウンロードできます。時々改正されているので、新しいものをご利用ください。

7-4 定款認証 | 日本公証人連合会 (koshonin.gr.jp)

「08特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明」については、こちらで詳しくご案内しています。

特定創業支援等事業を受けた証明書を取得する

定款をPDF形式で保存したら、株式会社の場合は定款認証の前に、PDFファイルに電子署名をして、電子定款にしておく必要があります。

無料で定款に電子署名をする方法

※定款の他、法人設立のために必要な書類で電子署名が必要なものは、次のとおりです。

株式会社

  • 設立時取締役、設立時監査役選任及び本店所在場所決議書
  • 発起人の同意書
  • 設立時代表取締役を選定したことを証する書面
  • 設立時取締役の就任承諾書
  • 設立時代表取締役の就任承諾書
  • 設立時監査役の就任承諾書
  • 払込みがあったことを証する書面

合同会社

  • 代表社員、本店所在地及び資本金決定書
  • 代表社員の就任承諾書
  • 委任状

電子定款の作り方

紙で定款を作成すると印紙税4万円がかかります。

これを節約するために電子定款にするのですが、電子定款を作るためには「電子署名」が必要です。最初に書きましたように、今は5千円ほどで電子定款を作ってくれるサービスがありますので、それを利用するのも良い方法です。

ただ、マイナンバーカードとICカードリーダーがあれば、自分で無料でできますので、お持ちの方は5千円を支払う必要はありません。

こちら↓で詳しく解説しています。

ICカードリーダーは2千円程度で購入できますので、これからも行政手続は自分で電子申請を利用していこうという方は、買っておくのも良いと思います。

会社を設立して、やらなければいけない数々の手続を全て専門家に頼んだり、紙で郵送したりすることを考えれば、カードリーダーを買って自分でやる方が圧倒的にコストは低いです。ただ、誰しも得意不得意がありますので、事務処理が苦手な方は人に頼むことが結果的に費用対効果(自分の労働時間を含む)が高くなることもありますので、無理はしないようにしましょう。


定款の認証

株式会社の場合は、電子定款ができたら認証をします。
定款の認証は公証役場で行いますので、まずは公証役場に予約をしましょう。

ポイント

公証役場から定款の修正を求められることがありますので、定款ができたら電子署名をする前に公証役場と調整をします。
このため、会社設立について具体的に決まったら、公証役場に予約を入れましょう。

詳しくはこちらから 定款の認証をする


資本金の振込みとその他必要書類の作成

定款の作成(株式会社の場合は認証まで)が終わったら、資本金を振り込みます。

詳しくはこちらから 資本金を振り込む

資本金を振り込んだら、通帳のコピーをつけて、「払込みを証する書面」を作成します。詳しい作成方法は、上記「資本金を振り込む」で解説しています。

その後、「00法人基本情報」に「定款作成日」、「資本金振込日」、「登記申請日」を入力して、他の書類も差し込み印刷してPDF化(または印刷)しておきましょう。