投稿日:2022年3月25日 | 最終更新日:2024年5月24日
起業・経営の難易度
あなたの得意分野や時の運にもよりますが、目指す起業の規模や始め方で、経営の難易度を順に並べると、個別の事情で異なりはしますが、概ね次のようになるだろうとはいわれています。
- 大規模なビジネス(を目指して)創業(いわゆるスタートアップなど)
- 大規模なビジネスを承継して経営
- 大規模なビジネスを目指して、小規模のビジネスを承継して経営
- スモールビジネスを創業
- スモールビジネスを承継して経営
それなのになぜか、学生起業などでも話題になるのは一見華々しい[1]が多く、起業の難易度を上げているところがあります。
事業の規模

あなたの目的を叶えるためには、
- 大規模なビジネスが必要ですか?
- スモールビジネスで可能ですか?
ここでスモールビジネスとは、フリーランスやECサイト、小規模店舗などで、5人未満で運営できる事業を指します。
宇宙へ行かれるほどの大金を稼ぐならスモールビジネスでは無理かもしれませんが、余裕のある暮らしを楽しむくらいのお金を稼ぐためなら、スモールビジネスの方が向いているかもしれません。
創業か承継(経営権を引き継ぐ)か
そのビジネスを創業しますか? それとも、概ね良さそうなビジネスを承継しますか?
- 一から創業する
- 会社又は事業を買って(承継して)経営する
考える必要のないことはできるだけ考えない
いわゆる「創業セミナー」で教えてくれるのは、ほぼ「[4]スモールビジネスを創業」です。ですので、それ以外を目指す方にはあまり役に立たないこともあります。
また、「スモールビジネスを創業」の場合にも、余計な事も多いです。
世の中に何十年も前から存在していて、数多くの人がやってきたビジネスについて、新規事業のように「ターゲット顧客のペルソナを考える」などをしても、あまり意味はないからです。
SWOT分析なども、その事業に関係のない強みなどいくら列挙しても無駄なので、「その事業に必要な強みを手に入れることができるか」を考えるべきです。自分は持っていなくても、承継で手に入れたり、持っている人を雇用できれば問題ないのです。
「創業セミナー」自体のターゲットが広すぎるのでしかたのないことですが、真に受けて時間をかけて悩むような事ではありません。型が決まっている事業の方が多いのですから、まずは型を学んだ方が効率的ですし、成功する確率も高いはずです。車輪の再発明はやめて、自転車の乗り方を覚えることからはじめましょう。速く走る方法や、独自のレース展開はその後で学ぶことです。
事業の型(お手本)を決める
というわけで、まずは自分のはじめる事業の型(お手本)を探しましょう。
業種別開業ガイド
独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する、中小企業とその支援者、創業予定者とその支援者のためのポータルサイト【J-Net21】に、「業種別開業ガイド」が用意されていますので、確認してみてください。
業種によって、詳しく書いてあるものとそうでないものにかなり差がありますが、広範囲をカバーしているので、やろうとしている事業はだいたい見つかるはずです。逆に、ここに載っていない事業は世にも珍しい事業、まだこの世に存在していない「新規事業」の可能性が高いですから、難易度が上がります。ここに載っていない事業で起業しようとする場合は、覚悟を決めて臨んでください。
新規事業の事業化支援
そういう「新規事業」をはじめようとする場合は、【Sony Startup Acceleration Program】の事業化支援Webアプリ「StartDash」をやってみるのもおすすめです。新規事業を始めるのは、個人の小規模な起業ではむずかしいことが良くわかります。
勤務先の新規事業としてはじめるか、潤沢な資金があるかでないと現実的には相当難しいです。
一般的な始め方

一般的な、既にこの世に存在する、お手本のある事業を始める場合は、前述の【J-Net21】の「業種別開業ガイド」で該当する項目(関連業種についても読んでおくと役に立つことがあります)を読んで大まかなイメージを持ってから、できればその業種の起業・開業に関する書籍か、なければ一般的な起業・開業に関する書籍を1、2冊は読むことをおすすめします。そこで、その業種に「必要な強み」と、「失敗する原因」を知っておくことが大事です。
ただし、「業種別開業ガイド」には書かれていない必要な手続もありますので、事業が具体化したら、その業種に詳しい起業支援専門家に一度は相談をした方が良いでしょう。
例えば、IT関連業について、「起業にあたって法的な許認可を受ける必要はない」と書いてあっても、内容によっては電気通信事業の「届出」が必要になる場合があります。許認可ではないので「許認可は必要ない」はその通りなのですが、受け取りようによっては「朝ご飯としてパンは食べたがゴハンは食べていない」のような感じになってしまっています。
知識がないと分からないことも多々ありますので、知識のある人に確認することをためらわない習慣をつけておくことも大切です。
⇒ 事業計画を作る
