ミーティング

テストマーケティングをする



投稿日:2022年4月10日 | 最終更新日:2023年11月6日

本格的に商品・サービスを売り出す前に、テストマーケティングをすることはよくあります。

大量生産を始めたり、大規模なアプリを作ってから、「全然需要がなかった」とか「何かがずれていた」と気がついても「時既に遅し」な場合があります。それを避けるためには、小規模に販売してみる、サービスを使ってもらうという方法は有効です。これがテストマーケティングです。

では、どのようにやればいいのか考えてみましょう。

プロトタイプを作る

プロトタイプ

まずはプロトタイプ、試作品を作りましょう。

「テストマーケティング やり方」などで検索するとテストマーケティングの解説ページはいくつも出てきますが、なぜか多くの場合この「試作品を作る」という工程は書かれていません。

当たり前だから省かれているのか、試作品なしでもやれることはあるので(アンケートなど)あえて書かないのかは分かりませんが、ものがあるとないとでは得られる効果は大違いです。

「こんなものを作ろうと思っているんだけど…」、「こんなものがあったら欲しい?」と言葉で説明されただけの状態と、実際に見えるもの、触れるものがある状態とでは、得られるフィードバックの質も量も違います。

完全に機能しなくても、簡易版でもいいので、「もの」を用意しましょう

ポイントは、「簡易版で良い」というところです。細部にこだわってしまうといつまで経ってもできあがらないので、とにかく「それがどういうものかわかるもの」であればいいと思って作りましょう。

手作りできるものは手作りし、できないものは1点だけでも発注できればベストです。

試作品を作れなければ模型でもいいので作りましょう。3Dプリンタを使って形だけというのでもありです。

3Dプリント サービス – 検索 (bing.com)

アプリやウェブサービスでしたら、無料でモックアップが作れるサービスやアプリもあります。

完璧なものである必要は全くありませんので、とにかく作ってみましょう。作ることによって見えてくるものもたくさんあります


テストしてもらう人を探す

人

テストは実際のターゲットにやってもらうのが一番です。それもできるだけ面識のない人が良いでしょう。友人・知人だと、どうしても率直な意見が聞けません。最悪、「いいと思う」しか聞けないこともあります。

こういうとき、開業地の役所や商工会議所などに相談しておくと、テストマーケティングに強力してもらえることがありますので、できることなら事前に繋がりを持っておくことをおすすめします。
起業支援に力を入れているところでは、定期的にテストマーケティング関係のイベントを実施していることもありますし、そこまででなくても産業関係のイベントやフリーマケットなどに参加する機会をもらえたりもします。臆せず挑戦してみましょう。

特に飲食店や個人向けサービス店を開こうとする場合、地域の役所や商工会議所・商工会と関わることは思わぬ販路を得るチャンスになることもありますので、できるだけ積極的にやってみてください。その団体の特色や担当者にもよりますが、福利厚生に採用してもらえることなどもあり得ます。
地域の販売所の手作り品コーナーなどを紹介してくれることもありますし、それらが駄目でも、テストマーケティングの調査対象になってもらえる(明示でなくても)こともあります。


Instagramでの販売もオンラインセミナー開催もテストマーケティングになる

管理の難しいもの(食品など)や許認可が必要なもの以外は、Instagramなどでどんどん売り始めるのも一つの方法です。何もテストだからといって特別なことをする必要はありません。ようするに少量からリスクを抑えて販売できればいいので、ネットを利用して売るのは適切な方法です。


物販だけでなくサービスでも同じことですが、こちらは分かりやすい形でアピールするのが難しいので工夫が必要です。
コーチングなどの先生業系でしたら、まずは無料のオンラインセミナーをやってみる方法もあります。ZoomやYouTubeのライブ配信など、少し勉強して慣れれば簡単にできます。

Zoom Webinar | Zoom
パーソナルミーティングなら、100人の参加者、40分まで無料で利用できます。

ライブ配信を行う方法 – YouTube のしくみ

Teams 無料 (クラシック) での会議の開始 (microsoft.com)
公式サイトに日本語が怪しいですが、無料版でも多人数の会議を開催することはできます。


地域のレンタルスペースを利用して無料体験

実際に対面しないと提供できないサービスの場合は、レンタルスペースを借りて無料体験を実施するなども考えられます。ただし、公民館など公共施設では営利を目的とした利用ができないのが基本ですので、必ず確認しましょう。開催する場所は、できることなら開業予定地、できない場合は条件の近い場所を選びます。実際のお客様に近い方がテストの精度が上がるのはもちろん、テストユーザーがそのまま未来のお客様になる可能性があるからです。

地域を決めて募集する場合は、無料か無料に近い形での集客方法を調べてみましょう。地域密着型のフリーペーパーや、レンタルスペースにチラシやポスターを掲示してもらえる場合もあります。


クラウドファンディングを考える

クラウドファンディングもテストマーケティングとして利用できます。

現在のクラウドファンディングは限定予約販売の色合いが強くなっていますので、どのくらい支援が集まるかでその商品の魅力や需要を図ることができます。ただし、クラウドファンディングで調べられるのは、その商品の対象者層がクラウドファンディングの対象者層とかぶる場合だけです。クラウドファンディングを利用しない、利用することが少ない層に向けた商品を出してみても、そもそもターゲット層に見てもらえないので、テストにもなりません。その代わり、ターゲット層がぴったり合うなら、そのまま商品化もできる可能性があります。


改良するか変更する

better

テストマーケティングを行ってみて、この商品・サービスでは駄目だ、少なくともこのままでは駄目だという結論が出たとき、どうしますか?

商品・サービスを改良しますか? 全く別のものに変更して、最初からやり直しますか?

それとも起業(開業)自体をやめますか?

これはあなたが起業する目的をどう捉えているかで変わるでしょう。

「お金を稼ぐために起業する」のでしたら、やめるという選択肢ではなく、改良または別のものに変えるになるでしょうし、「その商品・サービスを広めて世界を変える!」という熱意で起業するのなら、改良するかやめるかになるでしょう。

いずれにしても、一度で売れる商品・サービスが作れることはまれです。人の意見をよく聞きつつ、かつ、それに振り回されないで、より良い商品・サービスを作っていきましょう。

⇒ ブランデング事始め「ネーミングやロゴデザインを考える」