商標登録

商標登録をする



投稿日:2022年4月24日 | 最終更新日:2022年4月29日

商標とは、事業者が、自己(自社)の取り扱う商品・サービスを他人(他社)のものと区別するために使用するマーク(識別標識)です。

特許庁

この「商標」を他者が使えないようにする、また、他者から使ってはいけないと言われないようにする権利が「商標権」で、それを取得する方法が「商標登録」です。

「商標登録」については、弁理士事務所に依頼するのが基本です。

頻繁にやる手続ではないのに、やらなければならないことが多く時間と手間がかかるのに対して、弁理士事務所に支払う手数料はそれほど高額ではないからです。概ね2~3万円くらいで、最近は1万円前後の事務所も出てきています。調査料も無料のところが多いです。頼んだ方が費用対効果は高いです。

費用の比較

具体的に費用を比較してみましょう。(1区分※1で、登録料を5年分割納付した場合)

 弁理士事務所自分(書面)自分(電子)
出願料12,000円12,000円12,000円
電子化手数料※23,200円
電子証明書取得費用(3か月)※31,300円
出願手数料(最安値水準)11,000円
登録料17,200円17,200円17,200円
電子証明書取得費用(3か月)※41,300円
出願手数料(最安値水準)11,000円
郵送料(簡易書留)(94円+320円)×2回
合計51,200円33,228円31,800円 (登録のみ書面で行った場合 30,910円)
差額17,972円19,400円 (20,286円)
費用の比較

各種費用は、2022年4月1日現在のものです。

国内出願に関する料金 | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)

※1 区分とは:商品・役務を一定の基準によってカテゴリー分けしたもの

商標登録出願に当たっては、商標を使用する商品・役務を「指定商品・指定役務」として、区分(商品・役務を一定の基準によってカテゴリー分けしたもの。「類」とも呼びます。)に従って、その内容及び範囲が明確に把握できるよう具体的に記載する必要があります。それは、商標権が、商標(マーク)とそれを使用する商品・役務(サービス)との組合せから構成され、指定商品・指定役務が商標の権利範囲を定めるものとなるからです。

また、指定商品・指定役務については、出願商標を使用している又は使用する予定があるものに限られます。

商品・役務を指定する際の御注意 | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)

※2 書面での出願の場合、所定の電子化手数料がかかります。登録料の納付にはかかりません。

書面で手続する場合の電子化手数料について | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)

※3 商標登録の特許申請では、マイナンバーカードによる電子署名ができません。別途、マイナンバーカードを使って電子証明書を取得する必要があります。(こういうことしてるから駄目なんだと思うのですが…)

法務省:電子証明書取得のご案内 (moj.go.jp)

※4 出願から登録査定までは1年近くかかる場合があります。このため、電子証明書をもう一度取得する必要があります。

「※1 区分とは」のあたりで「面倒くさい、考えたくない」と思われた場合は、弁理士事務所に相談することをおすすめします。

「大丈夫!自分で調べて、最大20,286円を節約する!」という方は、この先へお進みください。


申請前の準備

初めてだったらここを読む~商標出願のいろは~ | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)

「特許庁が商標出願のいろは」をまとめてくれています。

公式情報なので、読んでおきましょう。基本的な流れが分かります。

流れを理解したところで、事前準備に進みましょう。


類似する商標があるか調べる

登録したい商標と同じ又は類似している商標が既に登録されていたら、その商標は登録できません。(ただし、全く異なる区分の場合はできます。)

そこで、同じ・類似の商標がないか、調査する必要があります。

自分で調査する場合は、まずは特許情報プラットフォーム|J-PlatPat [JPP] (inpit.go.jp)を使ってみましょう。

使い方は「商標を検索してみましょう | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)」で紹介されています。

ポイント

先に登録しようとする商品・サービス(役務)の「類似群コード」を調べておきましょう。

分かりやすい言葉、文字などは類似のものが多数登録されていますので、商品・サービス(役務)で絞り込みをします。その時に「類似群コード」が必要です。

類似群コードは、↓から調べられます。

商品・役務名検索|J-PlatPat [JPP] (inpit.go.jp)

類似群コードは後で使えるようにメモしておきましょう。

さて、いよいよ商標の検索です。

まずは、読み方(「称呼(しょうこ)」と書いてあります)が同じ・類似するものがないか調べて、

次に、同じ文字を含む商標を探してみます。

J-Platpat操作マニュアル(商標の操作)100867235.pdf (inpit.go.jp)も役に立ちます。

ですが、専門用語も多いですし、正直分かり難いです。

もう少し直感的に調べたい場合は、↓なども良いかもしれません。

Toreru商標検索 | カンタン・無料のオンライン商標検索サービス

INPIT知財総合支援窓口で、J-Platpatの操作補助をしてもらう事もできます。

知財総合支援窓口 知財ポータル (中小企業を無料で支援します) (inpit.go.jp)


出願する

商標の調査が終わったら、いよいよ出願です。

ここまで事前準備が終わっていたら、出願書類を作るのはそれほど難しくはありません。


書面で申請する場合


申請書類をダウンロード

各種申請書類一覧(紙手続の様式)   | 独立行政法人工業所有権情報研修館 (inpit.go.jp)

商標登録_書面01

書面の作成

記入例や注意点などはこちらに詳しく書いてあります。

商標登録出願書類の書き方ガイド trademark2021_0531.pdf (inpit.go.jp)

出願書類記入例

特許印紙の入手

書面ができたら、手数料分の特許印紙を手に入れましょう。

注意していただきたいのは「特許印紙」を買うことです。収入印紙ではいけません。

気をつけて!

特許印紙は、「郵便局」、「一般社団法人発明推進協会」、「特許庁」で販売しています。ただし、郵便局については集配局などの大きな局にしかおいてありません。購入できるか事前に問い合わせてから行った方が良いでしょう。

注意2

※商標登録出願書類の書き方ガイドtrademark2021_0531.pdf (inpit.go.jp)に書かれている手数料は、2021年4月1日時点のものです。手数料は2022年4月1日に変更(増額)されていますので、必ず申請時点での手数料を↓から確認してください。

国内出願に関する料金 | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)


郵送する

書面ができあがり、特許印紙が貼れたら、特許庁へ郵送しましょう。宛先は↓です。

郵送等で手続する方へ | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)

郵送する際は、必ず書留・簡易書留で送ります。

※出願関係書類について特許庁が受領したことを確認したい場合は、返信用切手を貼付して差出人住所・氏名を記載した封筒又はハガキを同封します。特許庁で受付スタンプを押して返送してもらえます。封筒の場合には返信用控としての書面のコピーを同封し、ハガキには書類名と郵送日を記載してください。

書面のコピーや返信用の封筒などは、特許印紙を買いに行く前に準備しておけば、郵便局へ行くのは一度で済みます。


電子化手数料の納付

出願書類を提出してから数週間後に、「一般財団法人工業所有権電子情報化センター」から電子化手数料の払込用紙が送られてきますので、粛々と払いましょう。

書面で手続する場合の電子化手数料について | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)

これで書面による出願手続は終了です。

後は8~14か月後くらいに登録査定_が届くのを待つだけです。(その前に「その前に拒絶理由通知」が来たら、「補正書」又は「意見書」を提出する必要があります。)

登録査定が届いたら、登録料を納付します。


電子で申請する場合


電子で申請する場合には下準備が必要です。

大まかな流れとしては次のようになります


①電子証明書の取得

申請の流れ3ステップ

商業登記電子認証ソフトで「鍵ペアファイルと証明書発行申請ファイル」を作成し、それに申請用総合ソフトでマイナンバーカードを使って電子署名して登記所に送信し、手数料を納付します。

すると、申請用総合ソフトの「お知らせ」から「電子証明書のシリアル番号」を入手することができます。

商業登記電子認証ソフトに戻り、そのシリアル番号を使って、電子証明書の取得(ダウンロード)をします。

詳しい手順は、「商業登記電子証明書の取得方法について001364327.pdf (moj.go.jp)」をお読みください。

簡単3ステップとか書いてありますが、これだけでも結構一仕事です。が、これはまだ下準備です。


②納付番号の取得

電子版特許印紙の取得です。

必要なソフト

:インターネット出願電子出願ソフトサポートサイト (jpo.go.jp)

他に必要なもの

:ダウンロードした電子証明書

Pin、識別番号、電子現金納付専用パスワード(すぐに入力できるように用意しておきましょう。)

電子出願ソフトサポートサイト(よくあるQ&A 電子現金納付) (jpo.go.jp)

……無理にがんばらなくていいですよ、弁理士さんに頼んだ方が楽ですよ。と悪魔のささやきが聞こえてきますが、別に悪魔の声ではありません。

電子申請になれている人間以外には本当に面倒で煩雑なので、頼んだ方が早いです

インターネット出願ソフトを立ち上げて「識別番号」と「電子証明書」の組み合わせを特許庁に登録します。

電子出願ソフトサポートサイト(はじめての方へ STEP-5 申請人利用登録) (jpo.go.jp)

このページの手順に沿って、登録します。この時、「電子現金納付専用パスワード」を登録することを忘れないでください

設定できたら次は「補助機能」から「納付番号を取得」します。

詳しい手順は「電子現金納付の納付方法guide_03_payment_02.pdf (jpo.go.jp)」をお読みください。

電子現金納付の納付方法

取得した納付番号は、この後書類作成時に使います。すぐに貼り付けられるようにしておきましょう。


③申請書類の作成

ようやく申請書類の作成です。ここは意外と簡単に終わります。

こちらの「さくっと書類作成 (jpo.go.jp)」を利用しましょう。これは簡単です。

サクッと書類作成

基本的には入力していくだけですが、迷ったら

商標登録出願書類の書き方ガイドtrademark2021_0531.pdf (inpit.go.jp)

を参考にしましょう。


④申請書類の提出

書類がダウンロードできたら、インターネット出願ソフトを使って出願します。

詳しい手順はこちらにあります。

「出願書類/中間書類/納付書など、国内提出書類の提出方」guide_06_syutsugan.pdf (jpo.go.jp)

申請書類の提出方法

「受理済」フォルダに「接受」が現れたら終了です。お疲れさまでした。


登録料を納付する

忘れた頃に「登録査定」が送られてきます。赤い色の書面が書留で送られてきますので、一瞬、何事かと思いますが簡単に言うと「登録料を納付してね」の通知です。

納付書には電子化手数料はかかりませんので、書面で行う方が費用もかからず簡単です。

<参考資料> 1.特定手続であっても電子化手数料の対象とならない書類一覧

5商標登録料納付書 denshika.pdf (jpo.go.jp)

特許庁

支払う金額や支払方法の案内も同封されてきますので、それほど迷うことはありませんし、専用の案内ページも用意されています。

商標の登録査定を受け取った方へ | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)

商標の登録査定を受け取った方へ

納付方法はいくつも案内されていますが、特許印紙が購入できる郵便局に行かれるのなら、そこで特許印紙を買って、郵送するのが簡単です。

特許印紙が購入できる郵便局へのアクセスが悪い場合など、電子で納付書を送りたい場合は、「出願する」の「電子で申請する場合」の「申請書類の作成」で作成する書類を納付書に変えて、同じように実行してください。電子証明書の期限も切れていることがほとんどでしょうから、一からやることになります。


納付書を作成する


納付書の様式と記載方法はこちらにあります。

様式・記載方法 | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)

10年分を一括で納付するか、5年分を分納するか決めてから、該当の様式をダウンロードします。

10年分を一括で納付する方が1年毎の金額を比べるとお得になりますが、5年以上その商標が必要かどうかを考えて選びましょう。

納付書の作成には特に難しいことはないかと思います。

納付書ができましたら、印刷して宛先を書いた封筒(必要ならば返信用の封筒と納付書もう一部)を持って、特許印紙を買いに郵便局へ行きましょう。


特許印紙の入手

書面ができたら、手数料分の特許印紙を手に入れましょう。

注意していただきたいのは「特許印紙」を買うことです。収入印紙ではいけません。

気をつけて!

特許印紙は、「郵便局」、「一般社団法人発明推進協会」、「特許庁」で販売しています。ただし、郵便局については集配局などの大きな局にしかおいてありません。購入できるか事前に問い合わせてから行った方が良いでしょう。

注意2

商標登録料は、送られてきた登録査定に同封されている「商標登録料納付のご案内」に書かれている金額を確認して支払いましょう。


郵送する


書面ができあがり、特許印紙が貼れたら、特許庁へ郵送しましょう。宛先は↓です。

郵送等で手続する方へ | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)

郵送する際は、必ず書留・簡易書留で送ります。

※出願関係書類について特許庁が受領したことを確認したい場合は、返信用切手を貼付して差出人住所・氏名を記載した封筒又はハガキを同封します。特許庁で受付スタンプを押して返送してもらえます。封筒の場合には返信用控としての書面のコピーを同封し、ハガキには書類名と郵送日を記載してください。

書面のコピーや返信用の封筒などは、特許印紙を買いに行く前に準備しておけば、郵便局へ行くのは一度で済みます。


登録までに要する期間について


特許(登録)料納付書をオンライン手続で提出された場合、納付書に不備が無ければ提出日から3日以内で登録されます。ただし、納付書を書面で作成し窓口または郵送で提出された場合、上述の期間に加え納付書の電子化期間として約3週間の期間を要します。

特許(登録)証は登録日から約2週間後に発送されます。

特許庁権利化のための特許(登録)料の納付の流れについて | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)

これで商標登録の手続は完了です。お疲れさまでした。